世良心療内科クリニック

小樽市の心療内科、精神科 世良心療内科クリニック

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コラム

baby step

眠れない雨の夜

三日三晩、雨が続いている。
もう永遠には晴れの日はこないのか、地球の滅亡は本当かも・・・
と、一気に憂鬱な気分になる。
ついこの前まで、暑さを呪い、雨よ、降れ!と祈っていたのに。
人間って、ほんと、勝手。

すぐ隣町では、急な増水で半地下のビルが浸水したと
ニュースで言っている。
でも、私は出窓に頬杖をついて、猫の額の庭で、
茶色く枯れていた苔が一気に息を吹き返し、
濃い緑色に変わっていくのを、眺めている。
こんなにも鮮やかに命を吹きかえす生き物って、あるだろうか?!
激しい雨足に、見上げれば空は黒灰色に覆われて、怖いほどだけれど。

マンションの9階にすんでいたことがある。
窓からは遠く富士山が見え、すぐ下は私鉄の駅だった。
プラットホームをみおろすのが好きだった。
というより、もはや歯磨きとかわらない毎日の習慣だった。
昼間の駅は別になんてことなかったけれど。
夜中に目がさめ、ふと見下ろすと、夜明け前のまだぼおっとほの暗い闇の中、
プラットホームに明かりがともっているのが、心細いような、
逆にそこだけが最後の希望のような、不思議な気分になった。
冬の早朝は、特に。
たぶん、始発もまだとおぼしき時刻。
すでに、ホームにはひとり、ふたり、離れて客がたっている。
いったい、彼らはどこへいこうとしているのだろう。
この世の果てとか、どこか、自分が遠い世界にいるような気分になった。

夜の、だんだん人が少なくなってくるホームをみおろしているのも、
悪くない気分。
プラットホームの長い蛍光灯が、人々を励ましているようであり、
慰めているようでもあり。

でも、一番好きなのは、雨の日のプラットホームだ。
雨の日はラッシュアワーがいつもより確実に早くなる。
みんな、家に帰るのだ。寄り道せずに。
“家”っていうのは、帰るところなんだなぁ。
帰る家のある人間って動物は、いいなぁ。

いつだったかTVで見たアフリカの草原では、激しいスコールのなか、
トムソンガゼルが激しいスコールのなか、ただひたすら立ち尽くしていた。
ひろい草原に、てんでに分かれて、ぽつねんと。
そのくせ顔だけは同じ方向を向いて。
どうせなら、肩を寄せ合って大きな木の下で雨を避ければいいのに。
雨の中のトムソンガゼルの光景を思い出すと、いつもちょっと悲しくなる。
ま、彼らにとっては、知ったこっちゃないかもしれませんけど。

そこへいくと、オランウータンは、さすがわれらが仲間。
大きな葉っぱを傘がわりに、木のまたに腰掛けて雨やどりしてる姿なんかは
おぉ、工夫してますな、先輩!って声のひとつもかけたくなる。

100円ショップのビニール傘は、もはや日本の誇る発明品
のひとつといってもいいんだとか。
外人観光客が、こんなに安くて便利で・・と
お土産にまとめ買いしていくくらいだとか。
でも、おかげで、”雨宿り”はほとんど死語になってしまった感がある。

突如降り出した雨に駆け込んだ店の軒先で、ひそかに好きだった先輩や
クラスの気になる子と一緒になってしまって、たがいにあいまいな会釈をする
ともなくして、
どぎまぎしてるくせになんでもないそぶり。
空を見上げるふりをしながら、ちらり気になる人の横顔を見やる・・・・
なんて、胸きゅん、もしや、100円傘に奪われてしまった??

それとも、恋する少年少女には、まだ雨は
思いもかけない女神だったりするんだろうか?

子供のころ、途中から雨が降ると、学校へは親が迎えにきてくれた。
迎えにこれない親もいるから、これる親はたいがい1,2本余計に傘をもって
きて、
ない子に渡したりしていた。
父親が帰宅するころになると、近くのバス停まで傘をもっていくのは、
子供の役目だったりした。
めんどくさいもんだから、ぐずぐずしていると
「ほうら、お父さんが帰ってきちゃったじゃない!」と叱られることもしばし
ば。
「だいじょうぶだよ。近所の00さんがそこまでいれてくれたから」
手ぬぐいでたっぷり半分ぬれた背広の肩をふきながら、
笑った父親の顔を、今、突如、思い出した!!
すごい。なんか、正しい”昭和の記憶”って感じ。

雨の日は、なぜか思い出が次々とよみがえる。
どことなく心もとない気持ちが、懐かしさを呼び覚ますのだろうか。

世界の始まりはどんなだったんだろう。
酸性雨や硫酸雨がふりそそいでいたとかいうけれど。
はじめて、冬をむかえた人類の祖先は、これで世界がおわりになると
不安になることはなかったんだろうか?

あ、いつのまにか、雨があがってる。
部屋の窓からは、夜空のむこう、遠くサンシャインビルのきらめきが。
明日はきっと、快晴だ。

「今日で夏もおわりですかね?」
「信じていいのかしら?また暑さがぶりかえしたりして」
つい先おとといの会話がウソのように、一気に肌寒くなって。
タオルケットを2枚重ねても、まだ寒くて眠れない今日のような日は。
トムソンガゼルのように身じろぎせず、そっと目を閉じ、
もう少し、よしなしごとなど思い出していよう。

おやすみなさい。
そして、グッドモーニング。

作家
: 正本ノン
プロフィール
   
星座
: 水瓶座
血液型
: A 型

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