世良心療内科クリニック

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コラム

baby step

台風一過

澄んだ青空がひろがって、昨日の嵐がウソのよう。
目は洗われ、深呼吸すると肺の細胞のすみずみまで
秋の空気がしみわたっていく気がする。
よく、日本人は忘れっぽいとか事なかれ主義だといわれるけど、
もしや、それってこの国が台風天国だってことと関係してたりして・・・。
だって、あんなにもすごい雨風が吹きつけて、
人やものが飛ばされ、家が流され、
それどころか時には命までもが奪われても
いったん台風が過ぎ去ってしまえば、あくる日は決まって信じられないほど飛びきりの青空が待ってるんですよ?
あまりにも清々しくて、思わずぽっかり口をあけて空を仰いでしまう。
どれほどの爪痕を残そうと、あまりに天はあっけらかんとしていて、そこには恨み言をいう余地もないというか。
今更何を言ってもしかたない。
運が悪かったと思うしかない。
そんな諦めに似た境地を、すごい台風がやってくるたびに、私たちってば、少なからず味わい、いつのまにかそれが習い性になっていたとか・・・?
しかも、嵐は3日続くことはない。 せいぜいが2日。
その間、ひたすら頭を低くしてじっと耐えてさえいれば、
台風は必ずや去っていく。
でもって、翌朝には決まって昨日の災いがウソのような青空が、頭上いっぱいにひろがり、私たちはちゃんと新たな希望がその先に待っていてくれることを、感じる。
信じる。いや、信じたい気になってしまっている。ごく自然に。
・・・・・

3・11のあの未曾有の大災害のことを思えば、それはあまりにも無神経なものいいに聞こえるかもしれないけれど。
でも、我々日本人には、どうもそんな性向があるように思えてしまうんだなぁ。
たとえば、数年前のリーマンショックの時。
私がまっさきに思ったのは、”あぁ、バチがあたった”
ってことだった。
われわれ人間って、なんて愚かしいんだろう。
欲望の尽きることを知らず、どこまで贅沢をして、どこまで求めれば気がすむんだろう、というものだった。
昔の時代劇とかで、よく出てきたセリフ。
悪党をお縄にかけることがなくて、下っ端同心とかが悔しまぎれにいう。
“オレたちの目はごまかせても、お天道様が赦しちゃくれないぜ”"
まさに、あのお天道様が見てるって感覚。
でもって、もちろん、そこには自戒の念も入っている。
つまり、私たちも悪かった…っていうような感覚。
おおかたのマスコミの論調も、日本ではたいがいそんなだった。
でも、外人は違った!
アーサー・ビナードという詩人は見事な日本語のエキスパートで(TBSラジオでレギューラゲストもやってます)、
めちゃくちゃ日本に精通していて、もうアナタのどこが外人??みたいな人だけれど、
でも、リーマンショックの時の反応は、まったく違った。
“日本人は、なんで天災のようにいうんですか?”
と彼は激しく怒っていた。
“あれは、アメリカやヨーロッパの一部の強欲な金融マンや上の人間たちが、ほかの人間たちの不利益を省みることなく、惹きおこした犯罪ですよ、犯罪”
言葉は不正確だけれど(アーサーさん、まちがってたら、すいません!)ざっとそういった意味のことを言っていた。
そっかぁ・・。
アーサーさんの温厚なものいいや、エッセイのファンで、ひごろ、もう彼ってば日本人以上に日本人~~と思っていた私には、まさに目からウロコの発言だった。
う~~ん、そういえば、外国は責任を明確にする社会だからなぁ~。
でも、アメリカだって、ハリケーンとかきて、日本と同じようなもんだろうになぁ。
いや、やっぱ、つねに自然と闘って、開拓によって建国を果たした国じゃぁ、天災も単なる天災とはみなさないのかも・・・。
とかとか、アレコレ思いをめぐらせたことではありました。
そしたら、つい最近出た本に、戦後すぐ日本にきて広島と長崎を訪れたギュンター・アンダースって哲学者の話が紹介されていた。
「ツナミの小形而上学」というその本によれば、
アンダースは、
爆心地の人々が原爆を投下したアメリカを憎むのではなく、まるで天災のように受けとめていることに、驚いたそうだ。
彼らは”ツナミでもあったかのように”それを受けとめていたのだそうだ。
そうなんだ?
そういえば、今は”非戦闘員の一般市民がまきぞえに”とか、戦争があたかも本来は戦士間だけの殺戮や殲滅攻撃のように報じられているけれど、つい最近までは、いや本当は今だって、何の罪もない民の無辜の命が何万、何十万とうばわれているのだ。
それでも、広島で、長崎で、彼らはそれを人災ではなく天災のように受けとめていたのね・・・。
たった今、世界のいたるところで、戦火のただなかにいる人々はどんな思いでいるのだろう・・・。
世界はあまたの厄災にみちている。
そういえば。
“エジプトはナイルの賜物
ナイル河は季節になると、大規模な氾濫をおこしますが、それは被害をもたらすと同時に、土地を肥沃にし、人々に豊かな実りをもたらすのです”
世界史の授業といえば、すぐ思い浮かぶ一節だけど。
3千年前のエジプトの人々のなかにも、今日の私のように、あぁ、昨日の洪水がウソのようだと、妙に晴れ晴れとした気持ちで空をみあげる民はいたのだろうか?
3・11に続いて、東京では大勢の帰宅難民がでた、今回の台風。
私も、仕事先から家に帰るまで、3時間以上かかって、もうくったくた。
普通なら1時間もかからないのに。
高架をみあげ、あぁ、動いてるとほっとした山手線は、私の乗った電車から緊急停止。
“品川駅で人がホームにあふれ、電車の安全運行が保障されないため、ただいま各駅で発車をみあわせております。今しばらくおまちください”
“只今、情報を確認しております。今少々、お待ちを”
繰り返し、アナウンスは流れるものの、いったいいつ動き出すのやら。
その間にも、あいたドアからは焦った乗客がどんどん
詰めいってきて、車内はもう押し競まんじゅう状態。
蒸し蒸しといらいらに息苦しさがつのる。
“東京駅で架線にビニールがひっかかり”
“御徒町駅で信号トラブルが”
アナウンスが流れるたび、ため息といやな空気がふくれあがり、やがて気分の悪くなる人が出はじめ・・・。
結局、電車は全線ストップ。
近くの地下鉄に振替輸送が決まり、今度は黒山の人がおしあいへしあい、駅を出ていく。
だが、地下鉄もなかなかやってこず、人はあふれ、駅員に食ってかかる客が現れる。
駅員はいささかキレ気味ながらも、薄ら笑いで”まぁ、こういう時ですから”なんて返してるもんだから、通りすがりに私も若干いらっときて、両者をにらんだりして。
結局、何十分という待ち時間をはさみながら3本の地下鉄を乗り継ぎ池袋についた直後、その路線も全面運休になった!!
“次の電車はすぐまいります。そちらはすいておりますので”
実は、あまりに疲れて、そのアナウンスを真に受けホームのベンチでまっていたのだが、なんと20分近くもそのすぐ来るはずの電車はこなかったのだが、それでも、池袋に着けただけましだった!!!
もちろん、私の家は池袋からさらに駅一つ分先で、さらに試練は続いたのだけれど。
それでも、そもうそこまでくればね、あとはなんとかなるというものです。
いざとなれば風速40メートルの暴風雨の中を歩く覚悟で・・・・。
と思ったら、バスという強い見方がありましたとさ!!
(^^)
よく、ドラマなんかで失恋した女性を慰めるときにいうセリフ。
“大丈夫。一台目を逃しても、待ってれば、必ず次のバスはくるから”
あれ、うそですよ~~、みなさん。
いや、平常時はそうかもしれないけど。
災害時は、ともかく、今、目の前に来たバスに乗りましょう!
次の電車なんか待っちゃダメですよ~~~っ!!!
車通勤の多い地方じゃ、そもそも、東京みたいな帰宅難民の群れは出ないのかもしれませんが。
ともあれ。
わが家のベランダでは、今、洗い立てのタオルケットが青空にひるがえってます。
ついおとといまでは寝苦しくて残暑にぐったりしていたのに、台風一過の今朝は,爽やかな風が吹いて、まるで高原のよう。
ここは軽井沢か??(^^)
朝、窓をあけるなり、たて続けにくしゃみが4回もでたのは、ご愛嬌。
“秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞ驚かれぬる”
いえ、今年はなっきりと目に見えて、秋がきました。
美しい秋。
空のなんと高いこと。
雲のなんと美しいこと。
高い高い秋の空は、悲しみや怒りや行き場のない思いをも吸いこんで、静かに澄んでいるようです。
幸せになりましょう。
いつの日か、きっと。

作家
: 正本ノン
プロフィール
   
星座
: 水瓶座
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