世良心療内科クリニック

小樽市の心療内科、精神科 世良心療内科クリニック

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コラム

baby step

春よ、春

「来る途中で、2時46分になったからさぁ、立ち止まって黙とうしてきたのよ」

「わたしも」

「ねぇ。あれからもう一年だもんね」

銭湯があくのをまっていると、そんな会話が聞こえた。

えらいなぁ、私、普通に歩いてた・・と思っていると、3時になってシャッターがあくと同時に、そのえらいおばはんたちが、わらわらと人様をおしのけながら、開ききってない扉をかいくぐり、脱衣場になだれこんでいった。

そのなかの何人かは、服をきたまま洗い場にかけていき、自分のおけを置くと、満足そうに戻ってきてから、服をぬぎはじめた。

「あんたの分もとっといたわよ」

「悪いね、いつも、ありがとうっ!」

おばはんたちはガハガハ笑いあう。

まあぁ、それはいつもの光景ではあるのです。

だいたい、常連さんには、それぞれお気に入りの場所があって、なんとなくお互い棲み分けというか、暗黙の了解のようなものがあって、なるべく毎度、きまった場所に陣どる。

けど、好きな場所がかちあうこともあって、すると、一刻でも早く服をぬごうと、微妙に競いあうことになる。

でも、年を取ると、いちいち動作が鈍くなるうえ、あれこれ着こんでいるもんだから、私みたいな若いもんにスピードではかなわない。

だもんで、先のようなルール違反に走るわけです。

そう、アラ還の私は、なんと、この銭湯では若いほうなのです。わはは。

カランは20ほど。

口開け待つ客は、毎度十数人たらず。

十分間にあう数なのに、みっともなく先を競う。

道端で東北のために黙とうをする人が、ですよ?

でも、そんなもんかな?

ちょこっとだけ、苦笑い。

3月11日だっただけにね。

 

1年前の地震直後、しばらくは、銭湯も営業時間を短くしていた。

湯量もしぼっていて、そなえつけのおけに7分目ほどしかたまらず、ひそかに不満だった。

だが、いつのまにか、お湯はおけからあふれるようになり、もったいないわねと言いながらも、気分はよかった。

やっぱり、日本のお風呂はこうでなきゃ、なんて。

 

去年の今ごろ、デパートは6時終わりだった。

仕事の帰りによって、ちょっとお惣菜でもと思っても、あっというまにしまってしまい、困った。

駅のコンコースは薄暗く、むかし、初めてバンコックに行ったときにびっくりしたのと同じくらい、どこもここも暗かった。

でも、ものの1か月たらずで、デパートは7時までとなり、さらには8時となった。

今では、9時まであいている。

いいのか?

 

ものの2,3分も待てば、次の電車がくるのがあたりまえだった山手線は、間引き運転で10分間隔ちかくになり、わたしたちはえらい仏頂面で、こみあった電車にのりこんだものだった。

「こんなに次々くるんだったら、いっそ電車全部つなげちゃえばいいのにね」

なんて、母がわけのわかんないことを言うくらい、山手線はいつものように、すぐ次の電車がくるようになった。

かわりに、事故もほとんど毎日のように増えたけれど。

日々、どこかの路線で、人が線路に立ちいったり(・・・)車両故障や、人身事故で電車が遅延している。

 

仙台の友人は、震災直後、2か月ほど、水が出ない中で暮らしていた。

「でも、家にあった食料とか、ご近所といろいろ都合しあってたし。そとで、みんなでバーベキューしたり、キャンプ気分でけっこうのんきにやってたよ。ま、それも身内に死者がでなかったからかもしれないけど」

友人のそんな言葉を、私たちはすっかり信じて、

「さすが、彼女はちがうよね~」

なんて、東京の仲間うちで感心してたけど。

たぶん、想像力が不足していた。絶対。

きっと、自分が不安になりたくなかったから、友人の大丈夫だからって言葉を、すんなり信じたんだろうなぁ・・・。

 

ちょっと暗い気持ちになったある日、近くの大学の前を通りかかった。

と、門の前で、何人かのおばはんおっさんが写真を撮っていた。

私よかちょっと年のいった感じのおばはんは、うるわしい着物姿

。40代っぽい女性は、結婚式みたいなワンピース。胸には小さなコサージュ。

おっさんたちはつまらないコート姿だったけど、ちょっと浮かれた感じで、横断歩道のこちら側から道路をはさんで、

「撮りますよぉ~」

なんて、手を振ってた。

なんだろ、今時?と思ったら、白い看板が立っていた。

“セカンドステージ大学修了式”

 

なるほどぉ。

これが、第2の人生、学びなおしってやつか。

おばはんたち、何を専攻したんだろう?

おっさんたちがやけに華やいだ笑顔なのも、わかるなぁ。

奥さん以外の女性と、机並べたりして、ドキドキしたりしなかったのかしらん?(^^)

どれくらい通ったのかしらないけど、ともかく修了式ですからね、きちんとどれくらい通ったのかしらないけど、ともかく修了式ですからね、きちんと通いとおしたんですよね。

おめでとうございます。

照れくさそうな、でもちょっと誇らしげな、晴れやかな笑顔に、私は心のなかで拍手を送りながら、自転車を走らせた。

2月に逆戻りとか、天気予報は伝えていたけれど、それはきもちのよい春の一日となった。

私もなんか勉強したいなぁ。

 

そういえば、この時期は、語学のテキストを買いそろえるのが、毎年の習慣だった時代もあるのだ!

この3,4年は、すっかり忘れてしまったけど。

4月分は英仏伊西独ととりそろえるのに、まずはドイツ語からはやばやと落伍し、5月にはフランス語とスペイン語、6月にはなんとどっこい英語、いつのまにかイタリア語にもアリベデルチ(さよなら)

アラビア語のテキストなんか、今もまっさらなまま本棚につまれてる。

一度、黒いスカーフをすっぽりかぶり、一目で中東出身と分かる女性がオフィスに現れたことがある。

「アッサラームアライクム」

こんにちわと、アラビア語で話しかけると、彼女はパッと笑顔になった。

「まぁ、アラビア語ができるんですね?!それとも、挨拶だけ?」

ハハ・・・。よくおわかりで。

たしかに、それだけっす、知ってるの。

 

中国語なら

「リーターミンシェンシャン、ツアィプツアィ」

=鈴木さんはいますか?

う~~ん、鈴木さん以外は、自分の名前の発音もしらいんですけど、わたし・・・・。

意味ないじゃぁ~~~ん。

ん、でも、楽しいいからな。ま、いいか。

 

今年はとりわけ、寒さが厳しく、いつもなら2月には香って、わぁ、もう春だよおぉ~~と喜ばせてくれる沈丁花も、出会えたのはつい先週のことだ。

でも、同じ日に、ウグイスの鳴き声も聞こえたんだった。

確実に、春はきている。

 

なにか、ひとつ、新しいことをはじめよう。

わ、その前にまずはだしっぱなしのお雛様をかたづけなくちゃだ・・・。

どうぞ、美しい春が訪れますよう。

作家
: 正本ノン
プロフィール
   
星座
: 水瓶座
血液型
: A 型

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第2・第4・第5土曜日、日曜日、祝日

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