世良心療内科クリニック

小樽市の心療内科、精神科 世良心療内科クリニック

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コラム

baby step

夏バテ、夏ボケ?

1分前に聞いたことを、また聞き返す。

お気に入りの台布巾(!)の数をしょっちゅう数えては一枚足りないと騒ぐ。

レンジのチンの手順を、忘れる。

目の前のお菓子をあればあっただけ食べてしまう。

突然、ゲオとツタヤはおなじなの?と聞く。

はぁ?

名前が違ってんだから、違うってことだろよ~~っ!

 

ともかく、どんどん頓珍漢なことになっている。

同じ韓流ドラマをくる日もくる日も見ているくせに、突如、こんなシーンあったっけ?と言い出す。

変だわぁ・・・・って、お母さん、変なのは

アナタですっっっ!!

みんな、日本語うまいわねぇ・・・・って。

それ、吹き替えですからぁ~~~っ!!残念っ!!

 

もう、懐かしのギター侍に出てきてもらって、ばっさり斬りたいほど、毎日、キリキリしている。

82歳の誕生日をむかえてから、母は急におかしなことをいいだすことが増えた。

 

丁度、テレビで認知症のテストをやっていた。

一番わかりやすいのは、100から順に7を引き算していく問題だという。

 

「やってみなさいよ!」

私はイラつきながら、命じる。

「100引く7は?」

「93」

「93引く7は?」

「86!」

・・・・・っえ??86??

・・・・・あ、86か・・・・。

「そんじゃ、86ひく7は?」

「79!」

・・・69・・じゃないっけ?・・・・・・・・・・・・

私がビミョーに沈黙していると、母が笑いだした。

「79にきまってんじゃない。アンタ、またわかんなかったの??!!」

・・・・・・・・あぁぁぁぁぁぁ・・・・・っっ!!

「ったく、どっちがボケてんだか!!!

人のこと言う前に自分が気をつけなさいよっ」

母は、ものすごおく気持ちよさそうに笑った。

 

え~~~んっ、そうだった!

突如、思い出した。

私ってば、昔から計算が苦手だったんだワ!!

 

小学校低学年のころ、よく留守番のさいちゅうに、牛乳屋のおばさんが、集金にきた。

用意してあったお札を渡すと、おばさんがおつりをくれる。

おばさんが帰ったあとで、いつも私は少しにんまりした。

「お母さん!また、おばさん、100円多くくれたよ!」

帰宅した母に得意げに報告すると、毎回、母は苦笑い。

「・・・・はぁ、まったく。どこがよ?本当に計算できないのね」

う~~ん、今月こそ、得した!!と思ったのに・・・・。

 

というわけで、私は、計算が苦手なだけじゃなく、おつりをちょろまかそうとするワルい子でもあったのだった。スイマセン。

 

算数のテストでも、応用問題のところには、よく三角とか半分だけ丸がついていた。

“考え方はあっています。

計算ミスに気をつけましょう”

 

私はずっと、それをケアレスミスだと思ってきたけれど、注意力じゃなく、ほんとうは計算力に問題があったのね・・・。

 

大昔、ドキュメンタリー番組で、不良がスゴんでいた。

「あぁ?得意な科目?んなもん、ねぇ~だろ、フツー」

てめっ、ふざけてんのか?!

「じゃ、苦手は?」とインタビュアーがマイクをむけると、彼は一瞬、口ごもった。

「・・・引き算と…割り算はちょっと・・・」

十分ふてくされてるんだけど、急にもごもごっとなったのが、すごくおかしくて、でも、妙にいじらしい気がしたの、覚えてる。

勉強ができないってことは、当時、ぐれるのに、十分な理由だったろうか?

ぐれる、なんて言葉自体がそもそも懐かしいけれど。

東大合格者の親の平均年収が800万円以上なんて、統計がまだなかったころ。

貧しくても、一生懸命勉強して、いい大学いって、いい会社に就職して・・・・なんて明るい未来を夢見られた時代のお話だ。

 

今みたいに陰惨ないじめはなく、誰かがいじめたとしても、必ず誰かが止めにはいったり、守ってくれるクラスメートがいて、まして、いじめで自殺する子が出るなんてことなどない。

不良の子は不良らしく、いかにもそれらしく制服を改造し、せいぜい机やいすを蹴飛ばして歩いたり、授業中わざと居眠りこいたり、大あくびをしたり、反抗も態度も単純でわかりやすかった時代。

 

割り算が苦手と、バツが悪そうにした不良は、もはやノスタルジーの世界の住人か。

 

そういえば、暴走族も激減してるって話。

15年くらい前、真夏に湘南の友人宅に泊まったことがある。

真夜中、突如、大音響が響き、飛び起きた!

暗闇の中、襲いかかるような爆音に、てっきり、近くの米軍基地から戦闘機がスクランブル発進でもしたのかと思った。

グオオ~~~ンゴゴゴ~~~バゴ~~~~ッ。

ちょっとやそっとの物音じゃない。

「ゴメン、びっくりした?暴走族だよ」

と、友達は寝ぼけ声で言った。

「警察にいってもダメだから。あきらめるしかないよ。

1時間は続かないと思うから。寝て」

タオルケットをひきあげると、友人はふたたびとっとと寝息をたてはじめたが、私は気がふれんばかりの爆音のフーガ(行ったと思ったらまた始まるのだ!!)に、結局まんじりともせず、朝を迎えた。

「もう、なんなの、あれ!信じらんないッ!」

怒りのおさまらない私に、友人は肩をすくめた。

「夏だからね。しょうがないよ。週末はずっとこんなもんだよ。そりゃ、頭にくるけどさ。やってらんないんでしょ?連中も。なんか発散しないことには」

 

あらま、大人。

ってか、ずいぶん理解ありますこと。

私は口をへの字にするばかりだった。

 

時は流れ、先月、逗子の同じ友人宅に泊まった時のこと。

「あれ?そういえば、昨日、全然、うるさくなかったね」

てっきり安眠妨害されるもんだと思っていたら、友人がにやりと笑った。

「そうなのよ。ここんとこ、めっきり減っちゃって。1シーズンにせいぜい1回か2回だよ、暴走族がくるのなんて」

あらま。うっそぉ、なんで?なんで?

「不景気なのかもねぇ。もうバイクがかっこいい時代ってかんじでもないみたいだし」

 

あぁ、そういえば!

我が家の向かいには、100室以上あるデカいワンルームマンションがあるのだが、ちょうど私の部屋の出窓に面して駐輪場があって、どでかいバイクが何台も並んでいたものだ。

休日の前夜ともなるとみなさん出陣なさるので、当然、ばりばり騒音もひどく、何度となく管理人に文句を言おうか迷っては、ぐっとこらえる・・・という日々が、続いていた。その間、実に20数年!

それが、この春、ふと気づくと、バイクはたった2台になっていた。

しかも、それも原付のちびいやつで、いままでみたいに黒と銀のかっちょいいナナハンとかがピカピカ偉容を誇る…っていうのとは、段違い。

あらら。

かわりに、ずらり占拠しているのは、ぐっと華奢なスポーツサイクル。

 

若者の車ばなれとか、ニュースで聞くけど、本当なのね?

よもや、バイクまで、その波がきていたとは。

ほぉ、確かに、時代はエコで、草食系にむかっているのかも。

 

時代って、あるんですね、ほんと。

 

でもって、人間って勝手なもので、あれほど長いこといらいらさせられたバイク陣なのに、一掃されてしまった駐輪場を見下ろしていたら、一抹のさびしさを覚えたりしてさ。

 

だってさ、なんか、「ワイルドだぜぇ~~」って、若者がどんどこいなくなってるのかと思うとさ。

いや、まっぴらごめんなんですよ、暴走族なんて。

また出窓の下にナナハンが停まりだしたら、チッって舌打ちして、いつか、マフラーにバナナつっこんでやる!とかひそかに呪ったりはするんですよ、きっと(・・)

 

けど、発散されなくなったエネルギーはどこへいくのか?

ふと、案じたりもするのです。

いいのかなぁ、これで。

 

去りゆく一切は比喩にすぎない”

歴史学者エンツェンスベルガーの言葉なんかがふと思い出される夜。

我が家のクーラーはただいま故障中。

熱帯夜の東京で、大きく窓を開け放てば、昼間は聞こえない、西武線の電車のレール音がわずかに響きます。

 

ガタンゴト~ンガタンゴトン。

 

世界はどこへ行こうとしているんだろう。

なんちゃって。

 

おぉ、そういえば、はやオリンピックも開幕目前。

行方のしれぬ未来を案じるよりも、この寝苦しい夜、まずはなでしこの初戦突破を祈りながら、ロンドンへエールを送るといたしましょう、

 

“時よ、とまれ!

君は美しい。”

そう、信じて。

作家
: 正本ノン
プロフィール
   
星座
: 水瓶座
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