世良心療内科クリニック

小樽市の心療内科、精神科 世良心療内科クリニック

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コラム

baby step

永遠のおわり

この世に、永遠なんて存在しない。

いや、単に、永遠につづきそうだった酷暑の夏もそろそろ終わりそうだぞ!!やれやれ・・・

ってだけの話です。

だって、ほんと、なんだか年々、酷暑になってきてるとは思いませんか?

息をするのもしんどい暑さって、どうよ!

ちなみに、このところ、東京の最高気温を記録している練馬は、うちから電車で10分ほどの場所。

35度超えってさ、ここは砂漠か?

 

さて、そんな我が家ではクーラーが去年、いかれてしまった。

前回、クーラーが壊れたのは、10数年前。

ちょうど、父が寝こんだ時だった。

その年も、びっくりするほどの暑さで、心臓を患う父は、わずかなコップの水も分量をきちんとはかって調節しながら、細々と生きながらえていた。

太陽の照りつける外に出かけるなど論外で、終日、クーラーのわずかに効いた部屋で、ベッドの上、時折、ラジオやクラシック音楽に耳を傾けながら、静かに横になっていた。

ときどき、ひどく肩で呼吸をし、つらそうなので、病院に行く?とたずねると、黙って首を横にふる。

「なによ、入院したら帰ってこれなそうでイヤなの?」

私は冗談のつもりだったのに、父は「あぁ」と顔をそむけた。

 

ちょうど、そんな時,居間のクーラーが動かなくなった。

「こう暑いと、機械も人間様もいかれちゃうのかしらね」

「ほんと、どうにかしてほしいよね、この暑さ。クレイジーだわ」

私と母は笑いながら、父の部屋に避難した。

「あぁ、気持ちいい。生きかえるわ」

「けっ、オーバーだな」

父は弱弱しく苦笑いしたが、今思うと、あれは病人のささやかな抗議だったのかもしれない。

生きかえるだなんて。

 

新しいクーラーがくるまでの2日間、私と母はおもにその6畳の部屋で、すごした。

夕飯は、父もベッドをおり、床に3人で車座になって、出前の寿司をつまんだ。

「なんか昔の貧乏なコントみたいだね」

「『しゃぼん玉ホリデー』とか?」

「そうそう」

「あら、でもいいじゃない、なんか楽しいわ」

思えば、小学校の運動会以来だったかも!

親子で、こんなふうにひざをつきあわせて、ごはん食べるなんて。

「そういえば、昔は、台風のときとか、よくこうやって、ひとつの明かりの下に集まったよね」

「そうそう」

母とわたしのたわいない話は、父がベッドにあがって、いつのまにか寝息をたてるまで、続いた。

 

「どうした?苦しいの?救急車呼ぶ?」

はじめはいやがっていた父が、ついにうなずいたのは、それから三日後のことだった。

「なんで、もっと早くこなかったの?もしかして、当人がいやがった?」

かかりつけの大学病院の担当医は、

「まぁ、しょうがないね」

と、なぐさめるように母の肩をポンポンとたたいた。

それから、きっかり12日間後に父は亡くなった。

 

今でも、夏になると、きまって、クーラーが話題になる。

「あんまり暑いと、壊れるのよ。人も機械も」

毎年、あきもせずに、わたしたちは同じことを口にする。

そして、ついに去年の夏のおわり、クーラーがぴくりともいわなくなった時、私たちはどちらともなく、言った。

「お父さんが亡くなって、14年だからね。よくもったほうよ」

「「ほんと、あの夏も酷暑だったけど。・・・・14年かぁ、よくもったわ」

よくもった、というのは、なんだか、クーラーのことだけではなかった気がする・・・。

 

冬はガス暖房があるので、我が家のクーラーは夏だけの出番。

それで、買い替えるのもつい翌シーズンまわしということになった。

原発事故の影響もあって、世は節電ムード。

「もしや、ガマンしてみる?」

「うそ。・・・してみる?」

「うん、いけるとこまで、いってみよう」

いいだしたのは、やっぱりわたしだったかしら?

けど、母も乗った。

実は、この数年、東京では6月にめちゃくちゃ暑い日がつづくことがままある。

電車もオフィスも、節電は一時中止、のきなみ、クーラーいれてます・・・・みたいな。

でも、わがやは、ガマン。

かわりに、扇風機だしてきて、早くもまわします・・・みたいな。

そして、じめじめした梅雨。

わたしって両生類でした?っていいたいくらい、肌もなにもじっとりむしむし。

日焼けして黒光りする腕がじっとり汗で光る図って、もうここは東南アジアか?!ってくらい。

7月にはいって、フローリングの床がじとじと足の裏にはりつくようになっても、窓を大きくあけ、毎日、雑巾がけして、のりきってたけれど・・・・。

「あぁ、だめだわ、もう!あんた、行くわよっ!」

ついに、母が叫ぶ日がきた!

7月も終わりの週。

う~~~ん、あとたった1か月のガマンなんだけどなぁ・・・・。

「だめ?限界?」

「限界です!」

きっぱり宣言する母にひっぱられ、ぎらぎら真夏の太陽が照りつける中、朝一番で電量販店にかけこむと、そこには、あぁ、文明の利器が綺羅星のごとく!!

スースープハー~~~っ。

いやぁ、きもちいいなんてもんじゃない。

わしらの今までの努力ば、いったいなんだったの?と、笑っちゃいたいくらいの気持ちよさ。

「じゃ、これ下さい!」

なんでも即決の母は、目星の一台を指さす。

ちょっとオタクっぽい店員のお兄ちゃんが、あれこれ、電卓をはじき、では、購入!ときまった瞬間、

「あ、ちょっと待ってください?今、在庫、確認しますんで」

・・・・・・・

「すいません、お客様、ただいま、こちらの商品、すごい人気でして・・・・・今、工場で生産してるとこなんで、そうですね、24日になりますね」・

???

・・・・24日って?

「はい・・・あの、8月の」

はぁ~~~~っ!!ご冗談!

「待ってるあいだに死んじゃうわ!!」

と、母。

いや、ほんと。

おかしいもんですね、人って。

この夏はクーラーなしの生活にチャレンジ!なんて、実はけっこう本気で思わないでもなかったのに、いざ購入を決めたとなると、もう1分でも待ちたくないんです。

どんだけ変節すんねん!!っとつっこみたいくらい。

「今。すぐ手に入るのどれ?もう、それならそうとさっさと言ってよ!!」

 

それから、みごと2日後、7月の末に我が家にクーラーがやってきました。

すごいですねぇ、技術の進歩って。

買い替えたほうが、エコだよって、家電好きの友人が言ってたのも、納得。

新しいクーラーは、1時間冷やすといくらって、電気代まで教えてくれる。

今なら設定29度で、1時間5円ちょっと。や、や、安っ!!

ほぼ1か月たった今現在、累積金額はやっとこ1000円を超えたとこ。

それでも、原発のことを思えば、ぜいたくすぎっすかね?

いや、命あってのモノダネですっ。・・・よね??

 

 

天気予報で今日は全国のきなみ30度を超える猛暑だと、伝えている。

1か所だけをのぞいて・・・と、お天気おねえさん。

それが、釧路、私が育った町です!!!!

釧路の友達は、天気予報を見ると、ときどき「恥ずかしくなる」そうだ。

日本全国晴れマークなのに、釧路だけ曇りだったりして。

「気温も釧路だけ零下だったりするんだよ・・・」

でもさでもさ、いいよ、釧路なんて、まだ。

わたしの子どものころの写真みたら、笑えるよ?

釧路の前に住んでた富山県の伏木なんて、ここどこ?ほんとに日本?もしや、イルクーツクですか?って感じだよ?

いや、ロシアの町なんて、行ったことないけどさ?

なんか、あまりに殺風景で広大で、ハバロフスクって感じ。(いや、だから、行ったことはないんだってば^^)

もっとも、60年も昔のことですゆえ。

比較する方が間違ってるのかもしれないけど。

いずれにせよ、私、生まれて初めてみた外国人が、ロシア人ですから。

「サケマス漁船団のみなさん、お帰りなさい!!」

市役所をはじめ、繁華街のいたるところに横断幕がかかげられ、活気づくなか、毛皮の帽子をかぶったでぷり太ったザ・ロシア人って感じの一団がマルサンデパートに入っていくのを見かけた。

小学校4年の時のこと。

わあ、外人だぁ・・・・。

たぶん、あのころのわたしって、外国=アメリカって思ってたんじゃないかなぁ?

特別おバカだったわけじゃありません。

あのころの子どもって、みんな、そんなもんだった気がする。

いや、ほんとですって。

生きて動く外人なんて、まわりを見回してもただの一人もいなかったし、たまに見られるテレビでは、洋もの(!)といったらアメリカのドラマしかなかった。

『パパはなんでも知っている』や『わんぱくフリッパー』

『ちびっこギャング』

世界には日本とアメリカにも、いっぱい国があって、いろんな人種人々がいるってことを知るには、それから2年後の東京オリンピックまで待たねばならなかった。

裸足の王者、アベベ・ビキラ。

重量挙げのジャボチンスキー。

砲丸投げのタマラ・プレス。

こんな大きな人間がいるんだ?!

これで女?

とか、『びっくり人間博覧会』みたいな感じもあったけど、選手たちの名前や顔は、今もくっきりわたしの心に刻まれている。

日本選手のメダル獲得がいくつだったとかは、全然覚えていないけど。

 

いっぱいのメダルをとった今回のロンドン五輪は、どんな形で人々の心に残っていくのだろう?

やっぱり存分に闘ったあとの、あの圧倒的な笑顔、笑顔、笑顔かな?

 

永遠に終わらないのでは?と思うほど、連日続いた猛暑にも、そろそろ陰りが見えてきた。

どんな天然ドライヤーやねんっ!とつっこみたいほどの熱風に、思わず立ち止まって木陰で肩で息をついたほどの日々も、気がつけば、夜風がこころなしか涼しくなっている??

あけはなした窓からは、遠く花火の音が聞こえる。

ドドドドッ、ひゅるひゅるっパァ~~ンっ!どすどすどすどすどす。

私鉄電車で4駅はなれているので、花火じたいは見えない。

でも、スターマインの音は遠雷のように、わたしの部屋までやってくる。夜風にのって。

 

かつては、夏の窓をあけると蚊取り線香のにおいが、どこからともなく漂ってきたものだけど。

 

みあげれば、藍色の夜空にも入道雲がうかんでいる。

さすがに白くはないけれど、まだいかにも夏らしい姿の雲が、淡い菫色のグラデーションを描いている。

ほんのさっきまで、青空のなか、白い雲とまごうようだった淡い半月が、くっきり夜空に浮かんいる。

あ、星も、ひとつ、ふたつ・・・みっつ?

そういえば、ジャコビニ流星群なんて、見に行ったことあったけなぁ?

あれ、父と父の高校時代の親友と、バンでわざわざ埼玉のあたりまで出かけてみたんじゃなかったっけ?

その友人も父も、もう鬼籍にはいって久しいけれど。

 

夏の夜風には、なぜか、とうに逝ってしまった人をしのばせる作用がある気がする。

 

夏が,逝こうとしている。

今年の夏も終わりが近い。

8月31日が近づいてくると、手つかずの宿題の山に泣きそうになった子ども時代から、はるか半世紀。

南極でも北極でも氷がどんどん融けだしているというけれど。

われわれ地球人の明日が、つつがないものであることを祈って――

 

作家
: 正本ノン
プロフィール
   
星座
: 水瓶座
血液型
: A 型

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第2・第4・第5土曜日、日曜日、祝日

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