世良心療内科クリニック

小樽市の心療内科、精神科 世良心療内科クリニック

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コラム

baby step

あぁ、ルネッサ~~ンス!

青い空に、薔薇色の雲がうかんでいる。
いや、陣取り合戦をしているといったら、いいか。
澄みきった青に、薔薇色と白い雲、そしてわずかにグレイがかった青がまじりあい、
どこまでも明るく、穏やかな大空。
世の中には悪いことや不安など、まるでないようで。
幸福な恩寵がそこにはあるようで。
つい、足をとめてしまう。

こんな空は、冬にも秋にも春にも、ない。
むろん、真夏にも。
夏のおわりの、まだ夕暮れにはちょっとある、そんなつかのまのひととき。
でも、どこかで見た気がする・・・と思ったら、美術の教科書だった。
あぁ、これって、ルネッサンスの空だ。
ラファエロとか。
んふふ。そりゃ、いたずらな天使の一人や二人、描きたしたくなるかもなぁ。
もし、わたしが画家だったら、この空のうつりゆく一瞬を自分の手で描きとめたいと思うだろう。
ま、図画工作は”2”でしたが(!!)・・・。

そういえば、ルネッサンスの空の色は、ルノワールにも似てる。
ルノワールなんて、太ったおばはんの裸とか描いてて、どこが巨匠やねんと、中学生のころは気恥ずかしくさえ思ってたけど、60年ちかく生きてきて、はたと気づく。
あぁ、この人は、幸福を描きとめようとしたんだ、と。
ピアノのおけいこをしている二人の少女の絵には、苦しみだの憂鬱だの、影もなく。
薔薇色とブルーのサッシュは、ルネッサンスの空と同じ幸福色をしている。

“幸”という漢字は、手にカセをはめられた姿を模したものだと聞いて、びっくりしたことがある。
つまり、本来なら、何らかの罰により足カセもはめられて大変だったはずが、手だけですんで、あぁ良かった!!・・・・っていうのが、”幸”の語源なんだとか。
え、え~~~っ???!!
し、しあわせって、そ、そんな消極的な意味合いだったんかぁい????
もっと、プラスの喜びとかさ、そういうのと関係あったんじゃないの???
ま、まぁね、病気になれば、ふつうに健康だったというだけで、どんだけ幸福なことだったか・・とは思うけど。

わたしだって、ルネッサンス絵画みたいな空みあげながら、なんの不安もない今現在がひろがっているようで、至福とはこれか・・・と思いはしたけれど・・・。でも。
なんか、もう少し、積極的な意味合いがほしい気もするのでした。
すてきな恋人がいるとか、お金があるとか・・・(^^)

そういえば、ある時、失恋した若い友人が、自己啓発セミナーとやらにはまって、やたらめったらハイテンションだったことがある。
「わたし、きめたんです。世界で一番しあわせになってやるって!」
ん~~~、そりゃ、あなたが幸せになってくれたら、うれしいけど、なにも、世界で一番幸せになんなくてもよくなくなぁい??
わたしが苦笑すると、彼女はいいえと、首をふった。
「だめなんです。絶対、一番幸せになんないと」
ん~~~、なんか、それって、いつぞや、仕分けだかなんだかで流行語大賞にも選ばれた女性議員の言、思い出すんですけど(~~)

まぁね、ロンドン五輪じゃ、そりゃ、メダルばんばん獲って、やっぱ、メダルは最高だね、1位は素晴らしいねって、心から思ったけどもさ。
でもスポーツだからさ、あれ。
だいいち、そもそも幸せとかって順位つけられるもんなわけかぁ???

「あんたたちのなかで、だれが一番幸せなんだと思う?」
母に質問され、激怒したことがある、わたし。
今思うと、そんな怒るほどのことでもないんだけど、その時はね。何故か無性に腹がたった。
ものすごい久しぶりに学生時代の仲間とあって、せっかくほろ酔い加減で帰ってきたのに。
「楽しかった?よかったわね。みんな元気だった?」
と言ったあとで、母はそうたずねた。
しかも、
「やっぱり、アコちゃん?」
と、一番裕福な家の子の名前をあげたのだった。
「あのね~っ!!なんでお母さんが決めつけんの、勝手に!」
「あら、いいじゃない、べつに、ただ、だれが幸せかなぁ~って」
「だからさぁ、みんなぞれぞれなのっ!くらべるってこと自体、意味ないんだっちゅうのっ!」
5人の仲間のうちわけは、専業主婦が二人。
もう孫もいるアコちゃんは、ボランティアで外国人に日本語をおしえている。
ショウコちゃんは、就活に突入した大学生の娘の帰りが遅いといつも文句を言っている。
「え、でも、自分なんか昔すごい遊び歩いてたじゃぁん」
とからかうと、
「そりゃそうなんだけどさぁ。お願い、娘には絶対内緒よ」
と、あっさり白旗をあげるのがご愛嬌。
離婚を経験したユマは、女手一つで双子を育てあげた今は、今は実母の介護と仕事の両立でフル回転。
そんな彼女の唯一の楽しみは、何年かに一回行くか行かないかの海外旅行先での高級エステ。
もうひとりは、かつては皇后の美智子様から直接感謝の言葉を賜ったこともある元イベントプロデューサー。未婚のテルビン
今はいつか船宿のおかみに、なんて冗談とも本気ともつかないことをいいながら、料理人をやっているけれど、昨年、恋人がゴルフ場で急死。
酔うと、生きてる意味がみつからない・・・と泣く。
そして、最後はわたし。
未婚。母親と毎日ののしりあいながらも、なんのかんのと大過なく、日々を送っている。

どう??
こんなにもそれぞれなのに、どうやって比べろっていうんだろ??
みんな、それぞれ、苦労もあるし、喜びもある。
失ったものもあれば、つちかってきたものもある。
5人全員ではひんぱんに会うわけでもないし、とりたてて連絡をとりあうわけでもない。
それでも、年に一回とか二回なんとなく集まって、おいしいものを食べて、ワイン何本も(!)あけて、ロレツがまわらなくなったり、帰りの電車乗り越したりしながら、別れて、また会って。
特に悩みをうちあけるわけでもなく、しんどい話は何年もたってから、実はあんときこうだったんだよねぇって、聞くぐらいで、役にたつとか、力になるって関係じゃないんだけど。
でも、そんなつかず離れずの関係がもう4〇年も続いてると、やっぱり、どこかでお互い支えになっているんだと思う。

先週、久しぶりに召集の声がかかったのは、テルビンから。
「テーマは、”一人旅の効用と迷惑”です」
なんて、メールがあって、テ、テ、テーマ??と首を傾げたら、なんのことはない、一人旅にでるのだが、保証人の欄に書く人物が見当たらず、
「あんたたち、よろしくね。断ってもダメだよ。あたしがそう決めたんだから。あたしが死んだら、自然葬にしてもらいたいって、前に言ったよね?お金はちゃんと用意してあるけど、いろいろ大変だろうからさ、それが”迷惑”」
って、話だった。
あらま、冗談かと思ったら、意外に重い意味がこめられていたのね・・・・。
酔っぱらった一人は、ついでにこんなこともつぶやいた。
「ねぇ、あたしたとのなかで、だれが一番先に死ぬかなぁ」
え~~~っ!!だれが長生きするかじゃなくて???
「え~~~っ、いんだよ。あたしたちは、当分、生きるんだよ、元気で」
「そうだよ、あべちゃんが一番先にいったんだから、アタシたちはその分も生きるんだよ」
「そうだそうだ!ファイト~~ッ!!」
最後は、30代の若さで亡くなった、とびきり明るくて本当にひまわりみたいだった友人をしのんでの、大合唱となった。

だれが、一番幸せかなんて、わからない。
本当に意味がない、そんなこと。
あたしたちは、まもなく人生の周回コースに入り、それぞれの場所で、それぞれの暮らしを大切に生きるだけだ。

ルネッサンス。
本来の意味は、”再び生きること”、だったかな。
あの薔薇色の雲のように、日々が明るい穏やかさに包まれることを祈って。

作家
: 正本ノン
プロフィール
   
星座
: 水瓶座
血液型
: A 型

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休診日
第2・第4・第5土曜日、日曜日、祝日

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