世良心療内科クリニック

小樽市の心療内科、精神科 世良心療内科クリニック

  • TEL:0134-24-4556
  • FAX:0134-24-2556

コラム

baby step

ピチピチランラン♪

親知らずを抜いた。

「虫歯もできてるし抜いたほうがいいですよ」
歯医者はあっさり言うけど、ひえ~~っ、やだ、怖いよぉ。
「ま、次回まで考えておいてください」
憂鬱なわたしは、いい年して、帰るなり親に相談する。
「そりゃ、抜くべきよ。抜きなさい」
珍しくきっぱり、母が言う。
年下の友人は、小さく眉をしかめる。
「なにいってんですか?そんなもん、抜くに決まってますよ!抜くでしょう」
あ、は、はい。

「痛くないですか?ホント痛いのダメなんで・・・・」
毎回、治療のたびに言わずにはいられない。
大丈夫ですよと一言言ってくれればいいのに、先生はいつも
「痛かったら、左手あげてくださいね~」の一点張り。
嘘でもいいから、愛してるって言ってよ~~~!
??って、ちがうか(へへ)
ともかく、なんでもいいから、すがるような気持ちなワケです。

痛みといえば、出産!
鼻の穴からスイカが出てくるみたいだとか、
をめくって全身を裏返しにされる!!!ような痛みだと聞いたことがあるけど、
それってほんと??!!!
女は元来痛みに強いから我慢できるけど、男には絶対耐えられないだろうって。
むろん、そこまではいかないけど。
以前、親知らずを抜いた時は、メリメリ音がして、アゴが砕けるかと思ったほど。
麻酔は効いてるはずなのに、抜けた瞬間、涙が流れたもん。
反応ってやつ?
30年くらい前のことなのに、痛みの記憶はしかと残ってる。

まったく。
月にロケットが飛ぶ時代に(ふ、古すぎる言いまわしだわ(~_~;)、なんでこう歯医者だけは進化しないんだ。
拷問とどこが違うんだ?!
って、ついこないだ進歩に感心したのも忘れ、
年前と同じ恨みにも似た思いで目をつぶるわたし。
苦い下麻酔シュッシュ、注射ぐぐっ、
ぶわん、上あごの一部や歯茎周りがどんどん鈍く腫れてく感じ。
「少し押しますよ。どうですか?痛いですか?」
んもごんもご、イタイ・・・左手を振る。。
「じゃ、少し麻酔たしましょうね」
注射針、くいっ。
「今度はどうですかぁ?」
ギシギシッ。圧迫感あるけど、イタ・・・くはないか?
薄目をあけ指で丸をつくると、
がヤットコのようなものを手に取るのが見えた。ひゃっ!
「じゃ、いきますねぇ~~」
え~~~~っ!!中世から進化してないまん・・・・。
「ハイ、抜けましたよ」
まかよ~~~っって、心の絶叫が終わる前に、あら済んだの、もう?!
血止めの綿をかまされながら、
「шИy*≋*◎ИД☆шИy☆~~~」
今までで一番痛くなかったですぅと言ったつもり(へへ)
「あ、どうも」
苦笑する先生。
「よかったですねぇ」
と、助手のみなさん。3名もいたです・・。
照れ笑いしながら、治療室を出るも、ちょうど来あわせた老婦人に、
「ホヒャヒャハひゃフニャランひゅ」
親知らずぬいたんですぅと、訴えずにはいられなかった、わたし。
お子ちゃまか?!

「まぁ、大変」
見知らぬ婦人の同情を得て、どっと安心満足してソファにすわっていると、
白髪の助手おばさんがやってきて
笑いながらわたしの手首にゴム輪をパチンをはめた。
「はい、これ」
輪ゴムには500円玉くらいの大きさの白い臼歯形の容器がついていて、なかには抜いた親知らずが。
「ヒャハハフヒャヒャ」
あらかわいいと、言ったつもり。
その昔サンリオがくれたチャームみたい。
しかし、輪ゴムぱちんは、絶対お子ちゃま扱いだったな・・・・。
ま、ね、御年61才で、あのびびりようはないよなと、われながら思うもんな。

家に戻ると、玄関先で母がまちうけていた。
「大丈夫?遅いから心配になって。今、迎えにいこうと思ってたとこ」
時計を見たら、家を出て1時間ほどたっていた。
駅むこうの薬局まで抗生物質もらいに行ってたから、というと、
母は安心して、部屋に入った。
今日が何日かいつの季節かも時々混乱するのに、
娘を心配する気持ちはかわらないのね・・・。

臼歯型のちび容器は、ことのほか気に入ったようで、
「まあ、昔は、ただ紙につつんでくれるだけだったのにねぇ。可愛いわねェ」
と、しきりにうちながめては、あけようとするのだが・・。
「これ、どうやるの?お母さん、最近、少しおかしくなってきてるから・・・あけて?」
「え?そこの筋のとこにちょっと爪ひっかければあくよ」
「・・・う~~ん、よくみえなくて」
ついさっきの娘を案ずるしっかり者の顔は消えて、
母はてれくさそうに臼歯を渡してよこす。
「ほらね」
あけてみせると、母はわたしの親知らずをくるくる回しみる
「あら、ほんとだ。・・・あらあら、こんなに虫歯に?
毎日歯磨きしてたでしょ?なんで?
お父さんは虫歯なんかなかったのに。お母さんの悪い血ひいたのかしら??」
「もう、そんなことないよぉ」

笑いながら、わたしはあっというまにが見守る側に返ってる。
もう少し、お子ちゃま気分でいたかったかなぁ・・・・と還暦すぎたわたしは、アホか?と少しさみしい思いで自分に突っ込みをいれる。

お子ちゃまと言えば。
うだるような真夏日が3日も続いた土曜の午後。
混んだ電車を一台見送ったら、ものの1分で次がやってきて。
いい具合にすいた席に腰をおろすと、
となりの女性が半身を薄い布で覆ってた。
ん??骨折?なんだ??
怪訝な視線に気づいたのか、彼女はショートカットの頭を軽くさげた。
「すいません。授乳中なんで・・・」
な、なぬっ?おっぱいあげてるってかい?!
「はい・・・すいません」
「いやいやいや。あらまぁ、それにしても、珍しい!」
「なんだかおねむでグズるんで、泣いて迷惑かけるよりはいいかと。
もうすぐ2歳なんで、ほんとはやめさせたいんですけど・・・」
へぇ、2歳って、おっぱいやめるころあいなんだ?
こどもがいないわたしは、そんなことも知らない。
「それ、スリング?」
「いえ、ただの布です」
「へぇ、上手くできてるのね」
と、おりしも、もぞもぞ動いたぞ!
「わたしたちがこどものころは、どこでも平気でみんなおっぱいあげてたものよ
。でも、誰もじろじろ見たりしなかったし。そんなもんだと思ってたから」
「そうなんですかぁ?」
若いママは明るく顔をほころばせた。
じき、次の駅のアナウンスがはいり、彼女はガーゼの中にやさしく声をかける。
「いい?とるよ?」
ママが上手に体をずらし薄い布をとると、中からぼうやが現れた!
思いっきり顔をしかめ、うぎゃぁと泣きかけたが、私を見ると、ぶにゅう~~っと泣き声をのみこんだ。
「眠い?」
声をかけたが、坊やはしかめっつらのまんま、ママにしがみついた。
「すいませんでした」
ママは柔らかな笑顔を残し、
コアラみたいにひっつく息子を胸におりていった。

なんか、ちょっといい気分だった。
やれ育児放棄だ幼児虐待だと日々ニュースが流れるなか。
どうみても、26,7の若いお母さんが
、あんなふうにおっとりした空気をまとって子育てしてる姿とすれちがって。

いつまで人は子どもでいられるんだろう。
うんと年を取ると、また先祖帰りして、子供にもどるっていうけれど。
実際、今やうちの母も、ときどき子どもみたいになってるけど。

歯医者さんでつかの間お子ちゃま気分を味わったわたしは、
まだまだ甘えていたかったみたい。

35℃を超える猛暑日が続いたと思ったら、もう梅雨いり。
母はタオルケットをかけて、すやすやお昼寝中。
静かな時間が流れている。
玄関先では赤茶けた土くれにしか見えなかった苔たちが、
慈雨に息を吹き返して、ふっかふかの緑色だ!
すごいなぁ、いのちって。

エルニーニョのおかげで、今年は長梅雨とか。
さ、新しい長靴でも買ったら、盛大にピチピチランラン
お子ちゃま気分ではねてみますか?
どうぞ、心地よい6月を!!!

作家
: 正本ノン
プロフィール
   
星座
: 水瓶座
血液型
: A 型

診療時間

診療時間表

休診日
第2・第4・第5土曜日、日曜日、祝日

外観

世良心療内科クリニック

〒047-0032
小樽市稲穂2-9-11 ツルハビル3F
(JR 小樽駅下車 徒歩4 分)

TEL.0134-24-4556 FAX.0134-24-2556

アクセスマップ Google MAP

コラム

世良心療内科クリニック

TEL.0134-24-4556 FAX.0134-24-2556 小樽市稲穂2-9-11ツルハビル3F

  • TOP
  • クリニック概要
  • 診療の流れ
  • よくある症状
  • アニマルスペース
  • お知らせ
  • コラム
  • アクセス
copyright (c)2014 SERA MENTAL CLINIC All Rights Reserved.