世良心療内科クリニック

小樽市の心療内科、精神科 世良心療内科クリニック

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コラム

baby step

アープカカイセイヘー

アープカカイセイヘー?   ヒンディー語で、「お元気ですか?」です。 春4月。 なにか新しいことをと思って、ヒンディー語を始めました。   なぁんちゃって。 うそぴょ~~~ん。 エイプリルフールですからね。 なんかウソつかなくちゃ。 3月がおひな様月間で、ず~~~っとお内裏様を飾りっぱなしだったように(言い訳じゃないのよ)、今月は”4月バカ”月間。 一日だけじゃなく、ずっとテキトーなうそを言っていいことにきめた。 だれがって? 私がっす。 “エ アロール?”(なにか問題でも?) これ、その昔、フランスの大統領が、隠し子がいることが発覚して、マスコミに問い詰められた時の言葉です。 いや、ほんとの話。 ミッテランって社会党系で、地味な靴職人みたいな顔してたけど、へぇ、意外とやるもんですね。 直訳だと”で、それから?”ってことになるのかな。 ともかく、ご当人が動じなかったおかげで、この問題は一気にしりつぼみになって、政権にはなんの支障もきたさなかった。 たしか、彼が亡くなったとき、葬儀には”奥さんの計らいで、愛人もその子どもとともに出席した”と海外ニュースで聞いた記憶がある。 さすが、フランス、大人の対応ってことだったんですかね。   エ アロール(それで、ですが) ヒンディー語、すなわちインドではおじいさんのことをババと呼ぶ。 丁寧語だと、バーバージー。 コレ、ホント(^^) でも、爺ぃなんか婆ぁなんか、どっちやね~~~んって話。   もちろん、ヒンドゥー語を習いはじめたってのは、ウソだす。へへ。 なに、インドに3年間暮らしてたって人と知りあいになって、 面白い言葉をちょこっと教えてもらっただけ。 そのなかで、一番おかしかったのは”グマッカル”って単語。 意味は”いつもほっつき歩いてる人”!! すごくないですか? わざわざ専用の言葉があるってことは、それだけいつもほっつき歩いてるとしか言いようのない人が多いってことですゆえ。 なんか、いかにもインドって感じ!   そういえば、韓国ドラマを見ていて、いつも不思議に思うことがある。 かの国では、愛する人を裏切ったり、親友を罠にはめたり、まぁ、獅子身中の虫じゃないけど、まんず、身近な人を裏切っていくって話がめちゃくちゃ多い。 でもって、ことが露見したとき、裏切者が決まっていうのが、 「おれを許すな」 あるいは {私を許さないで」 って。 あのさぁ~~~~~っ!!!!! いいけど、それって、「許してくれ」って言ってるのと同じじゃん?? いや、それ以上だ。 「おれがお前でも、おれのしたことを許しはしないだろう」 ってさ。 「どんだけひどいことをしたか、自分は心底自覚している、許しを乞う資格すらおれにはないのだ~~~っ!!」 ってことでしょ? 「おれを憎め」 なんてさ。 それ、同じですから。憎まないでくれっていうのと。・・・・・ [続きを見る]

春よ、春

「来る途中で、2時46分になったからさぁ、立ち止まって黙とうしてきたのよ」 「わたしも」 「ねぇ。あれからもう一年だもんね」 銭湯があくのをまっていると、そんな会話が聞こえた。 えらいなぁ、私、普通に歩いてた・・と思っていると、3時になってシャッターがあくと同時に、そのえらいおばはんたちが、わらわらと人様をおしのけながら、開ききってない扉をかいくぐり、脱衣場になだれこんでいった。 そのなかの何人かは、服をきたまま洗い場にかけていき、自分のおけを置くと、満足そうに戻ってきてから、服をぬぎはじめた。 「あんたの分もとっといたわよ」 「悪いね、いつも、ありがとうっ!」 おばはんたちはガハガハ笑いあう。 まあぁ、それはいつもの光景ではあるのです。 だいたい、常連さんには、それぞれお気に入りの場所があって、なんとなくお互い棲み分けというか、暗黙の了解のようなものがあって、なるべく毎度、きまった場所に陣どる。 けど、好きな場所がかちあうこともあって、すると、一刻でも早く服をぬごうと、微妙に競いあうことになる。 でも、年を取ると、いちいち動作が鈍くなるうえ、あれこれ着こんでいるもんだから、私みたいな若いもんにスピードではかなわない。 だもんで、先のようなルール違反に走るわけです。 そう、アラ還の私は、なんと、この銭湯では若いほうなのです。わはは。 カランは20ほど。 口開け待つ客は、毎度十数人たらず。 十分間にあう数なのに、みっともなく先を競う。 道端で東北のために黙とうをする人が、ですよ? でも、そんなもんかな? ちょこっとだけ、苦笑い。 3月11日だっただけにね。   1年前の地震直後、しばらくは、銭湯も営業時間を短くしていた。 湯量もしぼっていて、そなえつけのおけに7分目ほどしかたまらず、ひそかに不満だった。 だが、いつのまにか、お湯はおけからあふれるようになり、もったいないわねと言いながらも、気分はよかった。 やっぱり、日本のお風呂はこうでなきゃ、なんて。   去年の今ごろ、デパートは6時終わりだった。 仕事の帰りによって、ちょっとお惣菜でもと思っても、あっというまにしまってしまい、困った。 駅のコンコースは薄暗く、むかし、初めてバンコックに行ったときにびっくりしたのと同じくらい、どこもここも暗かった。 でも、ものの1か月たらずで、デパートは7時までとなり、さらには8時となった。 今では、9時まであいている。 いいのか?   ものの2,3分も待てば、次の電車がくるのがあたりまえだった山手線は、間引き運転で10分間隔ちかくになり、わたしたちはえらい仏頂面で、こみあった電車にのりこんだものだった。 「こんなに次々くるんだったら、いっそ電車全部つなげちゃえばいいのにね」 なんて、母がわけのわかんないことを言うくらい、山手線はいつものように、すぐ次の電車がくるようになった。 かわりに、事故もほとんど毎日のように増えたけれど。 日々、どこかの路線で、人が線路に立ちいったり(・・・)車両故障や、人身事故で電車が遅延している。   仙台の友人は、震災直後、2か月ほど、水が出ない中で暮らしていた。 「でも、家にあった食料とか、ご近所といろいろ都合しあってたし。そとで、みんなでバーベキューしたり、キャンプ気分でけっこうのんきにやってたよ。ま、それも身内に死者がでなかったからかもしれないけど」 友人のそんな言葉を、私たちはすっかり信じて、 「さすが、彼女はちがうよね~」 なんて、東京の仲間うちで感心してたけど。 たぶん、想像力が不足していた。絶対。 きっと、自分が不安になりたくなかったから、友人の大丈夫だからって言葉を、すんなり信じたんだろうなぁ・・・。   ちょっと暗い気持ちになったある日、近くの大学の前を通りかかった。 と、門の前で、何人かのおばはんおっさんが写真を撮っていた。 私よかちょっと年のいった感じのおばはんは、うるわしい着物姿 。40代っぽい女性は、結婚式みたいなワンピース。胸には小さなコサージュ。 おっさんたちはつまらないコート姿だったけど、ちょっと浮かれた感じで、横断歩道のこちら側から道路をはさんで、 「撮りますよぉ~」・・・・・ [続きを見る]

92

1月1日午前0時 宇宙誕生 9月1日 太陽系形成 9月10日 地球誕生 11月2日 生命の出現 12月1日 地上に酸素が多くなる 12月26日 恐竜が闊歩 12月31日 22時30分 人類誕生 23時30分 道具を使い始める ☆☆☆☆☆☆☆☆ 宇宙が誕生してから今現在まで、ざっと137億年。 って一言で言われてもねぇ・・・。 あんまりにも日常のスパンとかけ離れてるんで、正直全くピンとこないんですが。 ともかく、宇宙はビッグバンによって誕生してから、今まで137億年くらいの時が流れているらしい。 それを、1年間にぐぐっと超短縮(!)・・したのが、上記にあげた宇宙カレンダーだす。   それにしても、すごいなぁ。 宇宙が誕生してから、9か月くらいは地球も誕生してないんですね。 でもって、やっとこさ人類が誕生したのが、12月の31日、大みそかの22時半ってさ。 もう、「紅白」、小林幸子が出てくる時間ですってばさ。 あ、私は裏番組見てるけど。   22時半に誕生した人類が、道具を使い始めたのが、23時30分。 ってことは、なにかい? わしら人類ってば、たった30分間のあいだに核融合なんか発見して、原子力を手にしちゃったのかい?? 12月31日、あともうほんの1秒もしないうちに新年を迎えるっていう、午後11時59分9999999999999秒に? したっけさぁ、次の瞬間、世界が新しい年をむかえたその日、1月1日には、もうわしらヒトは滅亡してたりするわけなのかい?? 初日の出はおがめないのかい?? そ、そんなぁ~~~っ。 それはないっしょ~っ。   “宇宙カレンダー”を初めて目にしたのは、1980年代。 カール・セーガンという科学者が登場した時だ。 博士はそれこそ彗星のごとく颯爽とブラウン管に現れた。 そうね、今でいえば、池上彰とハーバード白熱教室のマイケル・サンデル教授を足したような人気に、近いかなぁ。 科学者というと、牛乳ビンの底みたいなぶ厚い眼鏡をかけて(あぁ、紙パック時代には、もはや通用しない比喩ね!)ボロい白衣をはおったよれよれ爺さんーみたいな、ステレオタイプを想像してたら、全然違った!!! 若くてかっこよくて、ちょこっとトム・クルーズに似てたかも! 黒いタートルネックのセーターにチェックのジャケット、外人だけど、目も髪もブラウンがかっていて、あんまり違和感がない。 固苦しいところがみじんもないから、博士の番組を見てると、宇宙が身近に感じられて、自分がみあげている空が本当に銀河系までつながっていて、私の世代では無理だけれど、いつか自分たちの子孫がはるか彼方の宇宙人とコンタクトする日がくるのかも・・・と、思えたりした。 ただ毎日、学校に行くだけのパッとしない日々を送ってる自分でも、太古からの悠久の時の流れのその果てに、こうして今ここに存在しているのだと思うと、たいそうロマンチックな気がしたもんだった。 「われわれ地球人は・・・」 博士は、テレビのなか、両手をひろげ、いつもそういって話しはじめた。 「われわれ地球人は、なんか食べてかない?」 「われわれ地球人、ちょっとトイレ」 とか、博士をまねて何でもかんでも、両手をひろげて話すのが流行ったこともあったっけ。   宇宙カレンダーがあれば、地球カレンダーもある。 地球が誕生してからおよそ46億年。 1月1日の午前0時に、宇宙のなかガス状のかたまりが地球として誕生したとして、今日これまでの日々を1年間の暦にあてはめると、ざっと以下の通りになるという。 1月1日 地球誕生 1月12日 天体衝突により、 地球と月にわかれる 2月9日 地殻が固まりだす 陸と海がうまれる 2月17日 原始の海で化学反応により 生命の源となるタンパク質生成 2月25日 原始生命誕生 5月31日 光合成をおこなうラン藻が登場 地上に酸素が増える! 11月18日 カンブリア紀にはいる・・・・・ [続きを見る]

もし私が総理大臣だったら

もし私が総理大臣だったら。 外務大臣は,絶対、大阪人で決まりだ。 なんなら、吉本の芸人でもいい。売れてれば なおのこと・・・・ん、ダメ?? いやぁ、いいと思うんだけどなぁ。 なんたったって、コミュニケーション能力バツグンでしょう? 大阪へ行くたび、まじ、感心する。 1月10日は十日戎(とおかえびす)といって、 関西では商売繁盛を恵比寿様にお願いする習わしがある。 有名なところでは、西宮市の福男レース。 ほら、真夜中の開門と同時に、男たちが境内を一斉に駆けぬけて、 すっころんだり、すごい勢いでつっこんで神主さんに抱きとめられて、 1位、2位、3位・・・みたいな映像、見たことあるでしょう? あれも十日戎の名物のひとつです。 私が何度か行ったのは、そっちじゃなくて、大阪市の今宮戎のほう。 なにせ室町時代から続く伝統行事。 3日間でのべ100万人の人出というから、 規模としてはこちらのほうがたぶん大きい。 JRの環状線は、もう一つさびれた印象のある線なんだけど、 この日をはさむ3日間ほどは大賑わい。 前日を宵えびす、11日を残り福と呼ぶのも、 お正月らしい寿(ことほぎ)感があっていい。 駅のホームを、もう人並みに押されながら下りると、 ♪商売繁盛笹もって来い! ♪のお囃子がじゃかじゃかじゃかじゃか降ってくる。 街角のそこここには街宣車みたいな警察の車両が 何台となく連なって、スピーカーで、やれ駐車するなだ、 あっちへ進めだの命じている。 あらら、けっこう、ものものしいのね。 でも、線路の高架沿いにはずらり屋台が並んで、わっさわっさ。 ヴィトンやシャネルのコピーバッグ売りも バンバンあるんですけど…大丈夫なん? ともあれ、人並みに沿っていれば、 初めてでもものの数分で、無事、今宮戎につく。 神社は人であふれていて、おしあいへしあい。 こちらでは笹に千両箱やおめでたい飾り物をつけた 福笹を授与している。 授与っていってもタダじゃありません。 神社やお寺では売るってかわりに、 授けると言ったりするんですね。 正しくは、笹じたいは無料でくれる。 神社の本殿の手前,数段高くなったところに、 左右、ふたりの神主が立って、手にした笹の束から、 一本ずつひきぬいて、シャララとリズムをつけるように弧を描いてみせる。 1本の笹にむかって何十という手が伸びる。 みんなが競ってむらがる姿は、ちょっと浅ましい気もするけど、 自分もその輪の中にいるときは、 やっぱりなりふりかまわずになってしまうんだなぁ、これが。 それに笹は、なんたって自然のものだから、 一本一本枝ぶりや葉のしげりかたが違う。 これじゃぁ、福もよりつかないだろうみたいな、 貧相なもんもまじってるわけです。 だから、余計、みんな、少しでも かっこのいい羽振りのいいやつをつかもうと、 躍起になってしまうんですね。・・・・・ [続きを見る]

カゴシプタ

クリスマス連休で出国ラッシュが始まったと、 ニュースが伝えている。 23日、羽田だけで1万100人。 関空と成田をたすと、年末年始、海外旅行に出かける日本人は、 なんと150万人近くと予想されるそうだ。 ひゃ、ひゃ、ひゃくごじゅう万人ってさ! 今、日本の人口はざっと1億2,3千万だから、 な、なにかい?! 100人に一人以上の日本人が、これから1週間のあいだに 海外旅行にいくってかい???!! うっそ~~~っ。 不況ってどこの国の話?? 生活保護世帯数が150万件って、同じ国の話?? いや、責めてるんじゃありませんからね。 旅行に出る人を。 私も海外旅行大大大好きですもんっ。 たちょっとうらやましく、そして不思議なだけ。   この数年はいろいろあって、私にとって海外は 遠くなってしまっている。 でも、海外旅行はめっちゃ好き。 どのくらい好きかというと、 欲しいものをあっさりあきらめるのに、便利なくらい。 って言ったらわかるかなぁ?(^^)あはは、謎? つまりです、パソコンでもバッグでも、 とにかくなんか欲しいものがあるんだけど、 高いよなぁと悩んだ時。 私がきまってつぶやく魔法(?!)の一言。 「これだけのお金があったら、ソウルに行ける!」 ソウルのかわりに、バンコックやハワイ、 ときにはパリが登場することもある。 すると、一気にガマンできちゃう。 海外に行くことに比べたら、物欲って全然、 欲求の熱が低いことに気づくんですね。 あぁ、ソウルへカゴシプタ~~~ッ(行きたぁいっ)!!   そうそう、私、海外に行くときは、 必ずその国の言葉をいくつか覚えていきます。 「こんにちは」「ありがとう」 それから「これ、いくら?」(^^) 「お名前は?」は子ども専用。 どこの国でも、子どもは好奇心いっぱい近寄ってくるし、 列車やお店で、ちょっと近くの子供に声をかけると、 とたんにまわりの人びとが笑顔になってくれる。   「このホテルには10年前に一人で来ました。 とても素敵だったので、5年前、父と来ました。 そして今日は、母と父と来ました」 そう片言のスペイン語で話すと、いきなりベラベラベラ~~~ とわけのわかんない言葉が返ってきて、 「すいません。わっかりませ~ん」とあわてたのは、 バルセロナのホテル・コロンでのこと。 すると、フロントマンはすぐ流暢な英語にきりかえていった。 「我々としても、大変うれしいです。 あなたたちご一家には特別にスィートルームをご用意しましょう。・・・・・ [続きを見る]

3大ニュース

熱い緑茶がおいしい季節になった。 ついこないだまで、ひえひえの麦茶だのなんだの言ってたのに。 気がつけば、もう師走。 1年が終わろうとしてるなんて。 私、家じゅうの衣替えしたの、つい先週なんですけど・・・。 “今年の10大ニュース”なんて特集が、どのテレビ局でもにぎわすころだけれど、 今年最大のできごとといえば、東日本大震災をおいて無い。 あろうはずもない。 私個人の3大ニュースのトップも、もちろんこの大震災だ。 あ、10大じゃないのは、平凡な暮らしの中ではニュースと呼べるほどの出来事がないからです。 つまらない?いや、ありがたい。 日々つつがなくあること以外に、なにほどの願いがあろうか。 人間、半世紀以上も生きてくると、本当にそういう気持ちになるもんなんですね。 知らなかった。 あれも欲しいこれも欲しいとは、本当に思わなくなった。 吾唯知足。 われ、ただ足るを知る。 なんっつって、ソウルとかマチュピチュとか、即行きたいとこは山とあって、あぁ、宝くじでも当たんないかなぁ~~~ とは思いますが。 あ、で、2位ですが。 それはなんと、近所で起きた殺人事件だった!! うちから歩いて、わずか3分。 一つ目の信号を右折して、1つ目の四つ角。 駅へ行く途中の商店街。 な、なんとほぼ毎日通る、マツキヨのとなりの地下にあるゲームセンターで、事件は起こった。 10月のとある昼下がり。 いつものようにママチャリでパンやさんに行こうとして、 なんとなくヘンな感じがした。 いつもよりなんとなく人出が多く、そこここでビミョーにたたずんでいる。 言葉を交わすわけではないのだが、誰もがなんだか他人の顔色をうかがっているといおうか。 少しいくと、今度は警官の姿があった。 路地の入口に警官がひとりなんとなく立ちふさがる感じで、通行をさえぎってるふうだ。 「なにかあったんですか?」 聞いても、警官は言葉をにごすだけ。 「えぇ、まぁ、ちょっと」 そういったきり、警官はさりげなくそっぽをむき、これ以上聞いてもだめだよとやんわり示す。 前に異臭騒ぎがあった時もそうだった。 結局は老朽化した管からガスがもれただけの話だったのだが(ま、それもちょこっと大事ではあるが)、お巡りさんはなんで警戒線をひいているか、こたえてはくれなかった。 情報不足は不安をもたらすだけなのに! が、日本には、(いや、世界には)オバンという種族がいる。 パン屋にいくと、お向かいのスーパーの前でチャリにまたがったまま片足をつけ、ケイタイにむかって声をはりあげてるおばはんがいた。 「そうなのよ。さっきからずっとまってるんだけどさ。うん、うん。こわいわよねぇ。うん、もうちょっとしたら帰るから。うんうん」 ケイタイを切ったおばはんにすかさず聞く。 「なにがあったんですか?」 「それがさぁ、殺人ですって!」 「殺人?!どこでですか?」 「そこのゲーセン」 え、え~~っ!!! 目と鼻の先じゃん!! 歩いて30秒もかからないところで、人が殺されてるの? それでも、私はとりあえずパンを買い、スーパーで牛乳やトマトを買い、もと来た道をもどった。 そのわずか数分のあいだに、あたりの様子はうってかわっていた。 人出はさらに多くなり、あっちでもこっちでも2,3人のかたまりができ、みんな腕組みしたり、眉をひそめてひそひそやっていた。 なんとなくざわざわした不穏な空気があたりをおおうのをまのあたりにしたのは、これが初めてだったかもしれない。 人びとからわきあがってくる不安や不信感が、明らかに一つの昏いトーンをもって、あたりを侵食している。・・・・・ [続きを見る]

インカのめざめ

「好きな昔話って、ありますか?」 「うん。鉢かづき姫!」 即答すると、年下の友人は首をかしげた。 「なんすか、それ?聞いたこともない」 え~~、知らないの?? あきれたけれど、実はわたしもちゃんとしたお話は知らないんだった(^^) でも、ともかく 「重い鉢が頭からとれないまま大きくなった異形の娘が、ある日、素敵な若者に見初められたら、鉢が割れて、中からは金銀財宝がざっくざく、しあわせになりましたとさって、お話なのよ」 「まじっすか。いいなぁ、それ」 恋するお年頃の友人は、しみじみため息をついた。 彼女は、ちょうど恋をあきらめたばかりだった。 それも、相手が由緒ある家柄の若者で、お嫁さんにもそれ相応の出の女性でないとという、今時、うっそぉ~~~みたいな事情に阻まれての決断だったため、ひときわ羨ましく思えたらしい。 「いいなぁ、棚からぼた餅」 確かに。いいよなぁ、棚ぼた! 実は、私、「小公女」もめちゃくちゃ好きなんですが。 ハイライトは、なんといっても、あのサプライズ。 富豪の父が死んで、それまで王女様のようにもてなされていた少女セーラの運命が一転。 寄宿舎の下働きとなり、疲れ切って屋根裏部屋にもどってくると、ある日、冷え切っているはずの部屋には暖炉の火があかあかと燃え、机の上には山のようなごちそうやフルーツが盛られ・・・って場面。 子どものころは、夏はひたすら外で真っ黒になって遊びまわっているだけだった。 本を読むのは、あきらかに秋になったころからだった。”読書の秋”って、ほんとだったのだ。 昔の秋は、今よりずっと冷ぃやりしてた気がする。 家の電気だって、今みたいに明るくなかった。 エアコンなんてしろもんはもちろんあるはずもなく、 うっすら寒い部屋で、ぼわんとした明かりのなか、腹這いになって本を読んでいると、子ども心にもセーラの身の上がしのばれて、つらくなってくるのだった。 自分もすっかり重い足を引きずって屋根裏の階段をのぼってる気分のとこへ、あなた、ドアをあけると、あかあかと暖炉がともってるって、どうよ!! 私、このときばかりは、山盛りのフルーツとかより、その暖かさにひかれた気がする。圧倒的に。 なにせ、私が育ったのは、豪雪地帯で名高い北陸の富山県。 一度なんか、一晩で玄関が埋まるくらいの雪がふり、家の2階の窓から出入りしたことがあるくらい。 でも、当時の暖房と言えば、こたつに火鉢!!くらいですからね。 セーラちゃんだけじゃなく、北陸の雪にとざされた町(さすがに村じゃありません^^)の幼子にも、ドアをあけたとたんに温かさがつたわってくるそのシーンは、まさに夢の光景だったのでした。 「小公女」には、もうひとつ、大好きなエピソードがある。 下働きとなって日々こき使われ、満足に食事もあたえられないなか、セーラはある日、パン屋の店先で小銭を拾う。 これでパンが買える! でも、迷いながらも、セーラはちゃんと店の主人にお金を届けるのだ。 「これ、落とされた方がおこまりではないかと思って・・・」 が、主人はいう。 「そのお金はあんたがパンを買うために、おちていたんだよ」 ほんとかよ!と、ここはさすがにちょいつっこみたくなりますが、ともかくセーラはパンを買って店を出る。 やっと、おなかが満たせる。 セーラがホカホカのパンを抱きかかえたとき、ふと、物乞いの幼い姉弟が目にとまる。 “するとー”と、私の好きだった本ではこう書かれていた。 “すると、どうでしょう。 セーラは袋から甘パンをとりだすと、その子どもたちに、わけあたえたのでした。 それを見ていた店の主人はいいました。 「あれまぁ、6つの甘パンのうち、5つまでもあげてしまったよ!自分だって、ひもじいだろうに。ごらん、あれこそ、本当の公女さまだよ」” 昔の児童読み物にはたいそう大仰な言い回しがあって、それがまた芝居気分をもりあげるというか。 まだ小3くらいだった私は、すっかりこのお話に感化され、「わたしも、いい子になりたい!」と熱望したものだ。 その結果は・・・・・・?!(へへ) 「小公女」の方は、ハッピーエンドで終わります。 父親の莫大な遺産が入って・・・・というのですが、実はこのお父さん、ダイヤモンド鉱山を掘り当てようとして、失敗。 失意のうちに異国で亡くなっていたのですね。 子どものころは、セーラのお父さんの職業までは関心なかったので。 物語に出てきた甘パンというのが、どんなパンだったのかたしかめようと、今さっきネットで調べて、あらら。 なんか由緒ある紳士かと思ったら、もしかして山師だったの? 山師!・・・・・ [続きを見る]

台風一過

澄んだ青空がひろがって、昨日の嵐がウソのよう。 目は洗われ、深呼吸すると肺の細胞のすみずみまで 秋の空気がしみわたっていく気がする。 よく、日本人は忘れっぽいとか事なかれ主義だといわれるけど、 もしや、それってこの国が台風天国だってことと関係してたりして・・・。 だって、あんなにもすごい雨風が吹きつけて、 人やものが飛ばされ、家が流され、 それどころか時には命までもが奪われても いったん台風が過ぎ去ってしまえば、あくる日は決まって信じられないほど飛びきりの青空が待ってるんですよ? あまりにも清々しくて、思わずぽっかり口をあけて空を仰いでしまう。 どれほどの爪痕を残そうと、あまりに天はあっけらかんとしていて、そこには恨み言をいう余地もないというか。 今更何を言ってもしかたない。 運が悪かったと思うしかない。 そんな諦めに似た境地を、すごい台風がやってくるたびに、私たちってば、少なからず味わい、いつのまにかそれが習い性になっていたとか・・・? しかも、嵐は3日続くことはない。 せいぜいが2日。 その間、ひたすら頭を低くしてじっと耐えてさえいれば、 台風は必ずや去っていく。 でもって、翌朝には決まって昨日の災いがウソのような青空が、頭上いっぱいにひろがり、私たちはちゃんと新たな希望がその先に待っていてくれることを、感じる。 信じる。いや、信じたい気になってしまっている。ごく自然に。 ・・・・・ 3・11のあの未曾有の大災害のことを思えば、それはあまりにも無神経なものいいに聞こえるかもしれないけれど。 でも、我々日本人には、どうもそんな性向があるように思えてしまうんだなぁ。 たとえば、数年前のリーマンショックの時。 私がまっさきに思ったのは、”あぁ、バチがあたった” ってことだった。 われわれ人間って、なんて愚かしいんだろう。 欲望の尽きることを知らず、どこまで贅沢をして、どこまで求めれば気がすむんだろう、というものだった。 昔の時代劇とかで、よく出てきたセリフ。 悪党をお縄にかけることがなくて、下っ端同心とかが悔しまぎれにいう。 “オレたちの目はごまかせても、お天道様が赦しちゃくれないぜ”” まさに、あのお天道様が見てるって感覚。 でもって、もちろん、そこには自戒の念も入っている。 つまり、私たちも悪かった…っていうような感覚。 おおかたのマスコミの論調も、日本ではたいがいそんなだった。 でも、外人は違った! アーサー・ビナードという詩人は見事な日本語のエキスパートで(TBSラジオでレギューラゲストもやってます)、 めちゃくちゃ日本に精通していて、もうアナタのどこが外人??みたいな人だけれど、 でも、リーマンショックの時の反応は、まったく違った。 “日本人は、なんで天災のようにいうんですか?” と彼は激しく怒っていた。 “あれは、アメリカやヨーロッパの一部の強欲な金融マンや上の人間たちが、ほかの人間たちの不利益を省みることなく、惹きおこした犯罪ですよ、犯罪” 言葉は不正確だけれど(アーサーさん、まちがってたら、すいません!)ざっとそういった意味のことを言っていた。 そっかぁ・・。 アーサーさんの温厚なものいいや、エッセイのファンで、ひごろ、もう彼ってば日本人以上に日本人~~と思っていた私には、まさに目からウロコの発言だった。 う~~ん、そういえば、外国は責任を明確にする社会だからなぁ~。 でも、アメリカだって、ハリケーンとかきて、日本と同じようなもんだろうになぁ。 いや、やっぱ、つねに自然と闘って、開拓によって建国を果たした国じゃぁ、天災も単なる天災とはみなさないのかも・・・。 とかとか、アレコレ思いをめぐらせたことではありました。 そしたら、つい最近出た本に、戦後すぐ日本にきて広島と長崎を訪れたギュンター・アンダースって哲学者の話が紹介されていた。 「ツナミの小形而上学」というその本によれば、 アンダースは、 爆心地の人々が原爆を投下したアメリカを憎むのではなく、まるで天災のように受けとめていることに、驚いたそうだ。 彼らは”ツナミでもあったかのように”それを受けとめていたのだそうだ。 そうなんだ? そういえば、今は”非戦闘員の一般市民がまきぞえに”とか、戦争があたかも本来は戦士間だけの殺戮や殲滅攻撃のように報じられているけれど、つい最近までは、いや本当は今だって、何の罪もない民の無辜の命が何万、何十万とうばわれているのだ。・・・・・ [続きを見る]

なんかいいこと

「ねぇ、なんか面白い話してよ~」 バブル華やかなりしころ、 友達の美人イラストレーターは、毎晩のように電話をしてきた。 「今、タクシー待ってるんだけどォ、なかなか来ないのよぉ」 寝入りばなをおこされて機嫌の悪い私とは対照的に、 ほろ酔い気分ですっかりご機嫌な彼女は、 受話器のむこうで♪いえ~~ぃとか言いながら、 「ねぇ、早くぅ~。なんでもいいから面白い話~~~っ」 と、くりかえす。 赤坂の一等地にある彼女のオフィスは、 いとこが経営する国際弁護士事務所の一室を特別に借り受けたもので、 まわりには時給最低2万円、 それも電話で話を聞いてもらうだけで、15分単位5千円という、 冗談みたいな高給とり男がごろごろしていた。 東大卒業はあたりまえ、やれイエールだ、ハーバードだ。 いやあ、実際、そういうアンビリバボーな連中が密集生息している場所って、 あるもんなんですね~。 もう、わっけわからん。 弁護士連中についてる秘書は、全員パーフェクトなバイリンガル女子。 みんな、いつもきれいな髪形で、いかにも本物ですって感じの小さな宝石を ちょこっとだけ身に着け、品よくオフィスを行き来していた。 その女友達がいなければ、きっと一生、 あんなエリートだらけの場所があるなんてこと、 しらずにいたろうなぁ。 あ、で、だ。 所詮、相手は酔っぱらいなんだから、適当にあしらえばいいものを、 なんであんな美人が毎晩誰か彼かと飲み歩いて、 結局は一人で深夜オフィスにもどり、 私なんかのところに電話してこなきゃいけないのかと思うと、 なんだかちょっと都会に生きる大人の女の孤独をかいま見るような思いで、 ついアレコレ、その日あった面白い話をひねりだしてみせるんだった。 「あ、車きた!じゃ、ね」 途中いきなりとっとと電話を切ってしまうのも、ほぼ毎度のお約束で、 私はツーツーいう受話器に向かって、どなったものだ。 「このばかものがっ!!」 「ねぇねぇ、なんか面白いことぉ」 「ないワ、んなもんっ!」 「え~~、なんかいいことなかったのぉ?」 「しっつこい!何度ないっつたら気ィすむのっ!」 「え~~~っ、つまんなぁい」 「つまんないもんです、人生は!!わかったか?!」 私が怒ると、彼女は大笑いした。 「マ~ジで?たしかに!うっそぉ~。言えてるかもぉ」 結局、深夜のタクシー待ち時間つぶしの電話は かれこれ1年ちかく続いたろうか。 あれから幾星霜。 まだ20代半ばの女友達が、顔をあわすたびに 聞いてくる。 「なんか、いいことありました?」 「ない」 「うっそぉ~。まじ、なんもすか?」 「なんもですっ!」 「そうっすよねぇ。いいことないっすよね」 はるか年下の女友達は、ちょっとしゅんとする。 「だめっすよねぇ。・・・・・ [続きを見る]

勝ってかぶって

アナログ放送が終わった。 我が家のテレビはもう地デジになっていたから、今更何も変わらない。 でも、なんだかつい感傷的な気分になって、その瞬間にたちあおうと、テレビをつけた。 正午5分くらい前。 各局とも、スタジオにアナログと地デジ2台のテレビを並べて、 カウントダウンしてるのは同じ。 けど、やけにバタバタうるさいのがフジ。 リモコン、ぺちぺちやりながら、結局そのバタバタが気になって、 NHKも「アッコにおまかせ」もパス。 その瞬間は、フジテレビで迎えた。 正午きっかり、切り替わった瞬間に 「笑っていいとも」のオープニングを模した「地デジでいいとも」って歌を、 ナイナイの岡村と見たことのない若者がトリオで踊って、タモリが登場したー。 あぁ、新しい時代に代っていくっていうのは、こういうことか・・・・。 お祭り騒ぎで、どんどこ先へ先へ。感傷はあとまわし。 あぁ、けど、きっと、テレビの創世期って、こんなだったのかも。 アナログの画面が砂嵐にでもなれば、少しはインパクトがあったかもしれないけど、 実際は活字だらけのつまらない放送終了告知画面に切り替わっただけだったので 余計にね。 フジのにぎやかなバカ騒ぎは、なんだか”これでいいのだ!”って気にさせられた。 “これでいいのだぁ!” って、天才バカボンのパパが、いつも叫んでるんじゃなかったっけ? 実は、これ、マルクスの歴史的唯物主観にもとづいているのだ~~~。 って、説をなんかで読んだ記憶がある。 マ、マ、マルクス?! 出所もなにもすっかりあいまいだけど、確かにあった。そんな説。 歴史的唯物主観ってのは、一言でいうと まぁ”そうなるようになってた”んだから、しょうがないーーーってことらしい。 本当のとこはどうか知らないけど 気になる方にはちゃんと自力で確かめていただくとして、 私の記憶の中ではそんな感じ。 徹底的な現状肯定。 何も、それが正しいからとかじゃなく、現実は受け止めるしかないってこと??? 無責任??いや、超、責任感に満ちた態度?? う~~ん、よくわからんっす。 でも、時々、私はなんか問題にぶちあたって頭がこんがらかると、 時々、この言葉を思い出すよ。 “これでいいのだぁ~~~” そういえば、日本のテレビ放送は、私が生まれた年に始まった。 テレビと私は、いわば同級生なのだ。 そのせいか、アナログテレビの歴史をたどるみたいな番組じゃぁ、 出てくるシーン出てくるシーン、みんな知ってる。 懐かしいものばっか。 浅間山荘事件の鉄球クレーンを見ると、 あぁ、これ、バイト中のデパートの休憩室で生中継見たんだった、 テレビの前は黒山の人だかりで、後方の私は椅子の上に立って画面に見入ったなぁとか、休憩室の人いきれまで一つの光景となって思い出す。 初めての海外中継が、ケネディ暗殺のニュースだったこと。 それも、初めは感謝祭で食べる七面鳥を、 大統領が娘の頼みを聞いて殺すのをやめたって、 微笑ましいエピソードが流れたあとでの、できごとだった気がする。 アポロの月面着陸。 あれ、本当は、ソ連に負けたくないアメリカがプロパガンダ用にでっち上げた映像で 本当は人類は月にはいっていないって根強い都市伝説があるけれど。 うそだよね? 「カプリコン1」は、あくまでも映画だよね?・・・・・ [続きを見る]

作家
: 正本ノン
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星座
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: A 型

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